日本人の脇の臭いは臭くない?
一般的に言われているのが、外国人は体臭がきついということです。
しかし、これは人によるとしか言いようがありません。
脇の臭いの原因となるのは汗腺の中でもアポクリン腺がたくさんあるからです。
このアポクリン腺は高タンパクの成分です。
ですから、肉や乳製品をたくさん摂取すると臭うとされています。
肉を好んで食べる欧米人は、だから体臭がきつい、というのもあながちウソではないのですが、そうとばかり決めつけるのも早計です。
日本人は欧米人と比較して、体臭がそれほどきつくないとされてきました。
その一因として考えられるのが、入浴です。日本人の入浴好きは世界でも知られています。
欧米では毎日入る習慣がないということですから、体臭がきつそうです。
しかし、それも気候風土によることもあるようで、日本は湿度が高いですから、汗をかきやすく毎日入らないとそれこそ体臭がきつくなってしまうことでしょう。
反対に欧米は乾燥した気候ですから、それほどお風呂に入る習慣がなくても大丈夫ということでしょう。
それと、食習慣も欧米並みになって久しいです。食べる量は違うかもしれませんが、高タンパク高カロリーになっていますから、日本人の体臭もきつくなっている可能性はあります。
世界のワキガ事情
日本人のワキガ体質の人は、日本人全体の10%から15%ということのようです。
中国人は全体の3%ということですから、中国人よりはワキガ体質の人は多いということになります。
ただし、中国は人口が多いですから、ワキガ体質の人の数ということであれば、中国人のほうが多そうですね。
それでは、これを海外に目を向けてみましょう。
国単位ではないのですが、欧米人では、実に人口の80%がわきが体質だというのです。
これはすごい割合といえます。
欧米人の体臭がきついのを裏付ける結果となりました。
しかし、もっと驚くべきことがあるのが、黒人です。
黒人では実に100%の人がワキガ体質だというのです。
100%ということですから、ワキガ体質がスタンダードということになります。
それも、これもワキガは優性遺伝するということですから、長い年月の中でこのような割合になったということでしょう。
日本の10%のワキガ体質というのはこれから徐々に増えていくのかもしれません。
欧米もワキガのほうがスタンダードと言えますから、脇の臭いを特別視する文化がないと言ってもいいでしょう。
ということは、欧米ではワキガを治療する概念もないということになりますね。
日本人の体臭がきつくなっている理由
体臭の主な原因は汗腺の一種であるアポクリン腺です。
アポクリン腺から出る汗が臭うのです。
同じ汗腺の一種であるエクリン腺は臭いません。
実は一般的に汗をかくというのはこのエクリン腺から出る汗なのです。
それでは、アポクリン腺はどのような時に汗をかくのかというと、これはホルモンが大きく関係していると言われています。
どの動物でもそうなのですが、臭いを出すことでパートナーを見つけるとされています。人間も動物ですから、本来の本能の成せる業と言ってもいいでしょう。
そして、このアポクリン腺の元となるのがたんぱく質や脂質です。
もともと、欧米人にアポクリン腺が多いのは、食習慣が高タンパク高カロリーにあるからとされています。
本来が狩猟民族ですから、肉を食す文化を築き上げてきたので当然といえば当然かもしれません。
反対に日本人は農耕民族で炭水化物の摂取が多かったことから、アポクリン腺はそれほど多くはないとされているのです。
それも、日本人の食習慣が欧米並みになったということで、ワキガに悩まされている人も増加傾向にあるようです。
ワキガは優性遺伝することが知られていますから、これから日本人の体臭がきつくなっていくのかもしれません。